第一章前編 落ちこぼれと生徒会長と金髪お下げと

46/129
前へ
/252ページ
次へ
ボボボボボボボボ……… ダチ曰く、『直管でヴァリバリ』らしいスーフォアのエンジンはアイドリングでさえ耳障りだ。しかもこれでもか、と言うくらいにハンドルがチョッパー気味にそそり立ってる上に激絞りときたもんだ。運転しにくいことこの上ねぇよ。 よくもまぁ、こんな恥ずかしい単車乗ってられるぜ。 「お前さ………恥ずかしくねーか?こんな単車に乗ってふんぞり返ってよ。」 「ぬぁんだとこの糞野郎!!人の単車に………」 あ、青だ。 ブァァァァァ!!!! 「うわぁぁぁぁ!!おいリューイチ!!いきなり急発進すんじゃねぇよ!!振り落とす気か!!」 「てめぇが信号見とかねぇからだろ。ていうかもう話し掛けんな。この単車エラくうるせぇ。」 ホント、ただ流して走ってるだけなのにうるせぇうるせぇ。 しかも持ち主本人は、「激渋だろうがよ!」と意味分からんこと宣ってんだから救いようがない。 「おい!コール切れコール!」 「ぁあ?」 ああ、コールてアクセルミュージック? 仕方なくやってやった。 フォンフォン………… 「かー!!勢いがねぇよ勢いが!!アクセル貸せ!!俺が手本見せてやる!」 と、いきなり後ろからアクセルを握ってきた。 コイツ……よりによって運転者からアクセルを……死ね。 「見とけよぉぉ!!」 テンションもMAXに、アクセルをこれでもかとばかりに捻った。 ブォォォォン!!! 「うわぁぁぁぁ!!!」 後ろのバカは自分でやっといて後ろに物凄い勢いで仰け反った。因みに俺はトップブリッジに捕まっといた。 「おいぃぃぃぃ!!!コール切るときは普通クラッチ切るだろうがよぉぉぉ!!」 「あーそーだったか?知らんかったわ。」 その後も後ろからの罵声に肘で対応してると………… 「ちっ、また信号かよ………」 今日はつくづくついてないな。交通の神様にまで見放されたか。 ヴォヴォヴォヴォ……… 赤信号に従い、停止線より奥に止まる。 なんか後ろで「何いちいち信号守ってんだよ、真面目か!!(笑)」という異常に高いテンション維持したバカが喚いていたが、オレがヘルメット頭突きバックバージョン食らわしたら突然黙った。 「やっぱ詰まんねーわ。こんな事したってよ。」 つくづく後悔していた。
/252ページ

最初のコメントを投稿しよう!

288人が本棚に入れています
本棚に追加