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前に出た隆太のＺＺＲのテールランプを睨み付ける。
既に一杯一杯なのに向こうは真剣どころかカウルに伏せる事もなく流すが如く力を抜いた走り………なめんじゃねーぞ！！！
しかもまたさっきみたくわざと一定の距離を保ってやがる。
「ちいっ！！ すぐに抜き返してやらぁ！！」
完全にあったまきた！
俺は差し掛かったストレートでアクセルをこれ見よがしに開ける。
この時、俺達の背後に迫る別のエンジン音にまだ俺達は気付いてなかった。
「こんのぉぉ………！ 余裕かましてんじゃねーぞぉ！！」
次のコーナーで抜き返す！！
そう意気込み、俺達を乗せたＣＢは今度は意図的にややオーバーラン気味で左コーナーに突入する。
因みに後ろのバカは………………多分自分のバイクのシートを自分で濡らす羽目になってんじゃねーか？ どうでもいいが俺の背中まで濡らしやがったら本当に振り落とす！
と、ハイテンションでバイクをバンクさせる。
…………ん？
なんだ？ 後ろのバイクは？
コーナーリング中にも関わらず後ろの様子を確認してしまった俺はある意味もう戻れない所までのめり込んでるかも。
だが、後ろのバイクは確かめた時には遥か後ろにいたのにコーナーを抜けた時にはすでに真後ろに迫っていた。
「…………ちっ！ いい所で…」
全力で走ってる俺達にあっという間に距離を詰めたって事は………
「俺より速いって事か！ ついてねぇな畜生！！」
もうこれ以上ペースはあげられない。せめて気持ちだけでも負けねぇ！！
そう思っていた矢先、ついに後ろの追跡者が俺達を抜きにかかった。
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