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「おい、西本。こうしちゃいられねぇぞ?アイツら何をするかわかんねぇし下手すりゃ………」
「ああ、行こう!隆太にもメールしておくぞ!」
急いで俺達は愛機の元へ走る。
だが、
「おい、お前等!!」
後ろからこだまする怒声。
振り替えれば身を乗り出してこっちを真剣な眼差しを向ける黒羽さん。
「お前等の事情に俺達は口出しできねぇ。だがな………」
しばらく溜めてからもう一度こちらを向き直り、
「………死ぬなよ?お前等は稀にみる中々ファンキーな奴らだからな。」
ニンマリと笑ってサムズアップする黒羽さん。
………へっ!なんてクセェ事言いやがるんだ。
心配してくれんのも嬉しいが……まったく、親父かっての。
こりゃ俺も気の効いた事言わねぇと釣り合わねぇな……。
「あたんまえだボケェェェ!!!死んでたまるかぁぁぁ!!!縁起でもねぇ事のたまってんじゃねぇぞコノヤロー!!!」
「「えええぇぇぇぇ!!!?」」
当然だろーが!!俺がこの程度の事で死ぬかよ!!
「勝手にへんな心配すんな!どっちかっつーとアンタとエマニエル夫人との関係の方が心配じゃ!!!」
「それを言うなぁぁぁ!!!アイツ最近俺がR34乗り換えた事根に持ってんだよ!!」
「アンタ等そんな事どうでもいいだろうが!!おい高山!!とっとと行くぞ!!」
まだ言いたい事山ほどあったのに無理矢理西本に引きずられてその場を後にした………めんどくせ~。
バラバラバラ…………
2ストの甲高いエンジン音を聞きながら山頂のカフェ『ライダーウィーク』の駐輪場にたどり着く。
てかたかが山頂まで昇るのになんでこんなに疲れんだ………
「そこらに停めとこうぜ。あっちがなんか騒がしいし。」
「ああ、急ごう。なんか穏やかじゃない雰囲気だ。」
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