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最終的に俺の一番親交があり一番癖がある連中に頼らざるを得ないんだがよ……
「隆太はまだか?」
「さっきメール送ってから何の音沙汰も……」
「なになに~?おもしろそうな事してんじゃ~ん!!」
ドン!!!
ぐえっ!何だ何だ!?いきなり背後に衝撃がぁ………
「隆太!お前いつの間に!」
「さっき。一通り聞くもんは聞いたよ。」
俺の肩からひょっこり顔を出す隆太。愛嬌ある顔立ち……てか女と見分けつかない童顔が俺の顔のそばに…………………やべ。俺、人として終わっちまってる。
自分でも何が何だか分からない感情の昂ぶりに自己嫌悪してるとまた周りが騒ぎだした。
『おい!“アスファルトダンサー”の次は“コーナーリング職人”のお出ましだぞ!!』
『やりぃ!!俺達ついてるぜ!!』
こういう連中がいるせいで勝手にこんなトラブルに巻き込まれていくんだな……面倒極まりない……
「まったく、散々だったよ。来る途中にバトルしてた相手がいきなり消えるし、待ち合わせ場所に来たらいないし、メールみたらわざわざ苦労する山頂まで来いって出てるしぃ!!」
ポカポカと背中を連打してくる隆太。あんまり痛くない内は機嫌はそこそこだな。
「もう一人はどうするんだ?」
もう一人ってったら勿論アイツに決まってんだろ。
「てな訳で隆太殿、頼む。」
「しょうがないなぁ。」
懐からケータイを出し、リダイヤルからアイツに電話する隆太。
プルルル……プルルル……
隆太のケータイのスピーカーは大音量だから会話内容が分かりやすい。
ピッ
『……ぁあ!?何だ隆太?』
あれ?亮介様は低血圧気味?
「俺だ。数が合わない。来てくれないか?」
おい、隆太。それは何のキャラだ?
『……掛け金は?なんてノると思ってたのか?』
やっぱりご機嫌斜め?
「10分で来れるか?」
『だが断る。』
プツッ プープープー……
「あれぇ?いつもなら『5分で来る』が期待できたのに。」
「当たり前だ!誰がワイル〇スピードのノリで呼べっつった!!」
てかいつもそんな風に呼び出してたのかよ。
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