プロローグ アイツとオレの初めての出会い。

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もちろん、圭介と亮子ってのはオレの両親の事だ。 「ええ、こんな年で死にたくはないですから。」 ガラララッ! 一思いに重たいシャッターを開ける。なかからモワァッとホコリが舞い出てくる。 あった。母さんのGSX―R。 赤と黒のヨシムラカラー。当時の母さんの趣味が伺える。 『母さんはね、ヨシムラの赤黒が大好きだったの。』 「今なら分かるな。この色、なんか燃えるな。」 来年新型がでるらしいけど俺はこの年のタイプが一番好きだな。2003年式。 ちょくちょく来てはメンテして洗車してエンジンかけてたからぜんぜん汚れがない。 うーん、やっぱ低レベルだけどタカ高に進学して良かった。県内でアンチ3ない運動な高校、あそこだけだもん。しかも校長公認。 キュルルッ!! バルバルバルバルバル…… 吹けの軽いエンジン音。 こいつが唸りを上げるのを想像すると身震いしてしまうぜ。 「そろそろ行くか。」 ヘルメットを被り、シートを跨ぐ。うん、ホントにポジションがスパルタン。前傾がきつい。 一度降りてエンジンを消し、車庫前まで押していく。何故かインパルスより排気量倍以上あるのに軽いんですけど。 インパルスを車庫に直し、再びシャッター前に出ると玉田さんが缶コーヒーを手にこちらに近づいてきた 「これ、飲んで。いくら夏だからって言っても乗ってたら寒いでしょ?」 「……すみません。わざわざ。」 くぅぅ。泣ける。コレが情ってやつか。ほんとにありがたい。缶コーヒー火傷する位熱いけど。
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