プロローグ アイツとオレの初めての出会い。

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「よし、計測完了。どれどれ………?」 先輩がパソコンを覗き込む。それにつられて隆太達も一緒に覗き込む。 「ちょ、画面見えねぇ。隆太、通してくれ。」 何とか視界にパソコンの画面が入った。 測定値――――182PS/12000rpm    ――――13.2kg/8000rpm ―――――――302km/h 「うわー。なんかすごい数値でてるよー。」 隆太が感激して言葉をもらす。そりゃそうだろ。俺もビックリだよ。 「か、怪物じゃねーか……」 白木さんの引きつった顔が見えた。すげぇ表情だ。なんか謝りたくなる。 「ま、俺のハヤブサに比べたら全然でてねーな。」 当たり前ですよ。朝見先輩のハヤブサ、200PSですよ。馬200頭分ですよ。一体どうしたらそんな馬力叩きだせるんだ? 「そ、それ言うなら俺のR1も190馬力……」 「白木さん、競おうにもバイクのカテゴリーが違いますよ。」 争う次元が違うよ。ハヤブサとR1じゃ。 まぁでも、先輩のハヤブサはいつか俺が貰い受けるがな。 「無理無理。俺が生きてるうちはお前には渡さねぇよ。」 ちっくしょー。なんでそんなにニコニコ笑顔で平然と心が読めんだよ! ガチャ ギャーギャー騒いでると不意にドアの開く音が響いた。 「あらあら、凄いエンジン音がしたと思えば亮介君の新車?」 うっはー。ミニスカートにタンクトップがエロい。しかもエプロンがまぶしー。さらに束ねた髪が色っぽい。 この方は朝見先輩の奥さんの麗奈さん。俺たちはレイナ先輩って呼んでる。 カレーの付いたおたまを持ってニコニコ笑顔の………ってカレー!!? 「みんな~。今日は特製唐揚げカレーよ。貴方達、食べていきなさい。あなた、記念日なんだから早めに店を閉めるわよ。」 「「カレーキターーーーーーー!!!」」 俺と隆太が声を揃えて騒ぐ。だってレイナ先輩のカレーだよ?カレーだよ? 重要だから二回言ったぞ。
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