プロローグ アイツとオレの初めての出会い。

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今日で転入して3日目。まだこの高岡高校の生活には慣れない。しかも噂だけは早くも全学年に知れ渡り、見た目がアレな奴からは喧嘩ふっかけられては返り討ちにし、普通の奴らには目一杯恐がられる始末。 「つまんねーな。このガッコ。」 ぼやきながら道端に転がっているパンチパーマ共を蹴飛ばし、校舎に戻っていく。 と、丁度そこにいかにも見せ付けてるようなラブラブカップルが通りかかる。 「ね~シンちゃん❤今日はカラオケ行こう?久々にシンちゃんの歌声が聞きた~い」 「オーケーオーケー。そこまで聞きてぇならカラオケ付き合ってやるぜ。惚れんじゃねーぞ?」  「やっだ~。とっくの昔に惚れてんじゃーん。」 正直、歯の浮くようなセリフだなおい。聞いてるこっちが恥ずかしいぞ。 とにかくこのカップルのイチャつきぶりを見ていたら年齢=彼女いない歴の俺のハートが大激情して頭の血管が一つ二つブチ切ってしまうかもしれないので取り敢えず(敢えて)カップルの間を割り込んで行こうとした。 「ね、ねぇ。アイツってもしかして……」 「あ、あぁ。多分今度入ってきた佐々木とか言う札付きだ……」 どうやら気付いたみたいだ。畜生、もう少しで割り込めたのに。 「ど、どうしよう?犯される……」 ちょっとまて。犯されるってなんだ? 「に、逃げるぞ。あんな化けモン俺かなわねぇ……」 化けモンだとコラ? イチャイチャカップルはそそくさとその場から離れて行った。 あいつらマジで失礼極まりねぇな。普通さ、初対面を化け物呼ばわりしねぇだろ。
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