プロローグ アイツとオレの初めての出会い。

30/57
前へ
/252ページ
次へ
………ああ、幸せだ。 この口に含んだカレーから肉や野菜のうまみが染みだして比較的甘いご飯に絡みあい、更に辛味を帯びてる香辛料の香りが鼻に……… スマン。この小説は〇味しんぼじゃないよ。 「おいしい~!いつ食べてもレイナ先輩のカレーは最高です~!」 「あらあら。それは嬉しい誉め言葉ね。怜奈ちゃんにもその内つくれるようになるわよ。」 さっきも言ったけど朝見麗奈がレイナ先輩で怜奈が水谷怜奈で………あーややこしい。 因みに怜奈に料理のセンスはない。非情だろうがないものはない。隆太は毎日怜奈の作ってくる弁当を血反吐はきながら笑顔で食い耐えてるんだ。だからレイナ先輩、そいつに余計な事を教えないでくれ。兵器の種類が増える。 その隆太は今、スプーン片手に普段見せないがっつき方で嬉しそうに次々とカレーを口に放り込む。 確かに今日の昼も怜奈の弁当食ってたけどよ、そんなにまずいか?俺が見たとき卵焼き食ってたけどちゃんとした形してたじゃん。 めっちゃ青かったけど。 あと白木さん。先輩としての威厳保ちたいならそんな白目向きながらがっつくなよ。ただでさえ恐い顔なのにもう色んな意味で見てられない。 そんな食卓を見回していると俺と同じく先輩がその様子を眺め、微笑みながらカレーを口にしていた。 俺が見ているのを気付いた先輩は急に真面目な顔でこちらに向き直った。
/252ページ

最初のコメントを投稿しよう!

288人が本棚に入れています
本棚に追加