プロローグ アイツとオレの初めての出会い。

33/57
前へ
/252ページ
次へ
午後11時 ……バタン!! 「あ"あ"ーーーづがれだーーーー!!」 我ながら思う。こりゃないよ……自分の呻き声とバイト先のクソジジイがぁ!! 今ようやく帰宅できた。そのままベッドに倒れ込むと体のあちこちが乳酸で蝕まれてもうぴくりとも動けない。あ、嘘ッス。一応立てるけどだるくてめんどくさいだけ。 バイト先の時計がいつの間にか壊れてる上にクソジジイ若干ボケ始めてるせいで2時間ただ働きさせられちまった。(しかも2時間分時給増えるわけではない) 「ふぅ~~。本当に殺風景だな。オレの部屋。」 改めて見回してみればチリは落ちてないしホコリっぽくはないが、家具は必要最低限のものしか置いてない。 部屋の隅のタンスは小さい。その横にでかい丈夫そうな旅行トランクがあるが使い道がねえからいみがねぇ。 部屋の真ん中に卓袱台。昭和か!て突っ込みはよしてくんな。この卓袱台に1年世話になってるがボロもいいとこだ。 なんていうか台所以外はほんと生活感がなかった 唯一違うといえば旅行トランクに乗ってるタンデム用ヘルメットだ。 「あ、やべぇ。まじで眠たい……」 ベッドにダイブしたのがいかんかった。 オレの心中では悪魔が核兵器を用いて天使を焼殺し、夢の世界に手招きしやがってる。 「ふあぁぁぁ………おやすみ……」 誰もいないのに口から出た言葉は虚しさを倍増するだけだった。 そのまま悪魔の導きのもと、夢の世界に引きずられていった。
/252ページ

最初のコメントを投稿しよう!

288人が本棚に入れています
本棚に追加