プロローグ アイツとオレの初めての出会い。

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はい、着いた。 申し訳ない。端折りすぎた。でもあまりにも速過ぎてここに至るまでの詳細を描写したら俺とんでもないクレイジー野郎と思われちまう。だから許してくれ読者諸君。 まぁ、なんだかんだで駅前の駐輪場に止めてそこから歩いていくことにした。 腕時計みればまだ8時5分。まーだまだ余裕だった。今思えばあんなに飛ばす必要なかったかもしれない。 だがいつまでも過去にはこだわらねぇぜ。 あくまで連続信号無視を前向きに対処する事で無かった事にした。 後はここから一直線に学校の校門くぐればいいからな。 しかし、その校門に向かって一直線に伸びている歩道に若干異変があった。 「………なんじゃこりゃ。」 まさにそんな感じ。 まるで救急車を避ける車の行列みたいに人が両脇に片寄り、道ができていた。 そしてその真ん中を一人のボサボサ頭が歩いていた。 「あいつ昨日隆太と話してた奴だよな?確か…………代々木?……あ、佐々木か。」 いかにも不良だけど文句あんのかコラオーラを放っている。コラオーラってコカ・コーラみたいだよな。 なーんて一人で心中ボケをかましてるとその佐々木って奴の遥か向こう側に怜奈の姿を見つけた。 気付くかな?と、手を振ってみたら案外直ぐに気付きこちらに顔を向けニッコリ笑う。 うっはー。この笑顔が隆太のものとは信じがたい。だいたいあんなかわいい彼女が作る弁当拒否るなんてありえねぇよ。なんて贅沢な。 …………すみません。やっぱ弁当は無理ッス。
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