プロローグ アイツとオレの初めての出会い。

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そうこうしている内に怜奈はてくてくと学校に入っていった。 ところであの佐々木って奴はなんで立ち止まってんだ? なんかすんげぇ行き辛いんだけど。 その時、佐々木が何かを決心したように拳を握りしめ、いきなりダッシュしはじめた。 「なんか………おもしろそうだな。」 好奇心の3文字が俺の足を動かし、佐々木の後を追いかける。 と、校門前で急に立ち止まった佐々木が何故かうなだれていた。 ゆっくり近づくと佐々木の体は真っ正面にいた隆太と怜奈のカップルに向けられているのがわかった。 まぁ、これで大体分かった事は佐々木って奴は恐らく怜奈に一目惚れしたそばから隆太に見せつけられた現実に叩きのめされた、と解釈していいだろう。 いや~他人の恋ばな程笑いの種にな「ちっくしょ~~~!!こうなったらぜってーあいつから巨ニューちゃん奪ってやらぁ!!!」 いきなり何を叫ぶかと思いきやまさかの略奪愛勃発? しかも今どきないだろ、一人で大声でちっくしょーって。 だけど、 「なんかおもしろそうだな。怜奈を巡って恋のバトルってか?」 バカ面といい、大声で略奪愛宣言といい、なんか非常にバカ丸出し感漂う人格だが、少し興味が湧いた。 「おっと、こうしちゃいらんねぇ。とっとと教室入ろう。」 後ろでまだ「うおおおおおっ!!」と無駄に気合いが入った唸り声をあげている佐々木に敢えてこれ以上突っ込まず無視して玄関に入った。 てかアイツ大丈夫か?周りから哀れな目線刺さってる事に気付かないのか?
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