プロローグ アイツとオレの初めての出会い。

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「ほら、お前ら席に付け。銀の字、そこ突っ立ってたら邪魔だ。高……孝蔵、いつまで教卓にふんぞり返ってやがる。」 「いや、なんで言い直した?」 高山がつっかかるが、そこを上手く受け流し我が偉大なる担任、滝本彰久はタバコに火を付けながら教壇にたった。 「せんせー、ここは学校ですよ。何故タバコ吸ってんですかー」 俺たちのショートコントを聞いて笑ってたクラスメートの一人が席につきながら手を挙げる。 「吸いたいから吸ってんだ。」 いや、答えになってねーぞ。 あれか?目の前に食いもんあったら欲望のままに手に取り口に運ぶタイプか? 「せんせー、副硫煙がきついですー。」 また別の生徒が最早苦情と化した意見をぶつける。 「そりゃあ赤マルだからな。副硫煙もそれ相応にきついだろうな。」 いや、第三者的に意見してるけど。もしかしてわざとか?わざと俺たちに副硫煙吸わせる為に堂々と吸ってんのか? 「そーじゃなくってー、あんまりタバコは良くないと思うんですがー。」 多分本人はあくまで衛生的に、後社会的に我が(中略)担任に注意してんだと思う。が、 「ああ、わりぃな。今度除煙フィルター入りマスク買っとくな。5人分。ゴメンだけに5人分。なんつってな、あははは。」 この教師、自分が止めるという選択は端から頭にないらしい。 てかなんだよ5人分て。クラス全体で40人近くいるのに副硫煙回避できるの5人まで? 何一つ解決してねぇし、例え俺たちの肺の問題解決してもあんたの肺と頭は一生治らねぇ。 後全然うまくねーよ。なんだよゴメンだけに5人分って。なにしてやったりみたいな表情浮かべてんだ。 どうやら生徒達はもう意見するのは諦めたみたいだ。 正直オレも心中ツッコミまくるのは疲れる。 「じゃー今日のホームルームは――、」 そして何も無かったかの様にホームルームはじめやがった。
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