プロローグ アイツとオレの初めての出会い。

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そんな前振りに1ページを使ったホームルームはこんな話題から始まった。 「あーなんか話すのだるいから今プリント配ったから目ぇ通しておくように。以上。」 トン、パサッ 信じらんねー。灰その場で落としやがった。いや、まずそんなことよりも、 「いやいやいや、ちょっと待ってみましょうか先生。」 思わず机から身を乗り出して突っ込むオレ。 ていうかなんつー業務態度だよこの給料泥棒。 「取り敢えず簡単な説明はしとこうか先生。このプリントも、字きたなくて読めねぇし。」 「あたんまえだ。昨日寝る間際に書いた奴だし。しょーがねぇなぁ。」 トン パサッ 本当にしょうがないのはあんただ。しかもまた落としやがった。 「再来週は教育キャンプだ。諸注意は今から配るプリントに書いてあるから読んどくように。」 トン パサッ 「ってちゃんとあるのかよ!なら最初からそっちを渡しやがれ!」 うん。高山のツッコミも最もだ。 「あと、明日は俺休むから。天皇賞あるんで。」 トン パサッ 一度本格的に教育委員会に訴えたほうがいいかもしれない。 それより…… 「先生ー、俺の机に灰落とさないでほしいんですけどー。俺の机灰のピラミッド立ってますがー?」 高山が青筋たてて訴える。そりゃそうだよ。不幸なことに高山の席は教卓の前。必然的に落ちた灰は何故か高山の机につもっている。 しかしそれを我(中略)担任は一瞥すると、 「おーわりぃな。捨てといてくれ。じゃ解散。」 いけしゃあしゃあと教室から出ていった。 残された高山の机には赤マルの灰の山。しかもいつの間にか吸殻が交じってる。 誰だ?アイツに教員免許渡したヤツは。
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