プロローグ アイツとオレの初めての出会い。

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「もぐもぐ………ふぇ、ひょうふへ、ひょうふぉひゅひょおはほーはっは?もぐもぐ……」 「いや、隆太。口のなかはカラにして喋ろうか。」 ナイス西本。オレもこれ以上目の前で旨そうにサンドイッチ頬張られるの見ると発狂しそうだ。 「別になんともなかったぞ。いつも通りだ。」 「いや、通じたのかよ。」 まあ、これでわかっただろうが新キャラ西本は基本真面目な奴で大抵彼がオレらのボケに突っ込んでくれる。 この若干茶髪気味のツンツン髪はある意味オレらの守護神だ。 その守護神をトークメンバーに加え、今俺たちは第一校舎の屋上にてランチタイムを過ごしている。 ………………が、 「やべぇ……弁当買い忘れた。」 朝急いでたんだし。今気付いてみれば手持ちぶさた。いくら今日は特別時間割りでこの後の体育で終わりだとしても流石に腹にはこたえるなー。 「は?亮介弁当無いのかよ。」 高山が哀れみを含めた視線を投げ掛けてくる。 と、隆太も急いで口内の敵を処理し同情して来やがった。 「えぇ~、亮介昼ごはんないの~?可哀想。」 「ああ、だから非常に困ってるんだ。なのでその明菜屋の限定……」 「絶対ワケナイカラ。」 てめぇ、メールの文そのまま読みやがって。何も言ってねーだろうが。 いいだろ一つ位。10食分あるんだからさぁ。 「なら、私が作ってきたお弁当をどうぞ!」 伶奈はそう言って弁当箱を突き出してきた。 あぁ、伶奈。せめてもの救いは食料をわけてくれるという君のやさしさだよ。 だけどオレは間違いなく死亡ルートを突っ走ってる。 弁当箱を差し出す彼女の顔はまるで天使みたいだった。もっとも彼女が持ってるのはパンドラの箱なんだけど。
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