プロローグ アイツとオレの初めての出会い。

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「伶奈、ありがたいが気持ちだけとっ………」 「私の作ってきたお弁当をどうぞ!」 「ありがとう。でもやっぱり気持ちだ……」 「私の作ってきたお弁当をどうぞ!」 「………………。」 問答無用ですか。この四字熟語に殺意を覚える今日この頃。 仕方なく受け取った弁当箱。ちょっと…いや、かなり開けるのが怖い。 「………ドントマインド。」 高山。何故に「心配するな」? 「よかったじゃん。伶奈の手作り弁当、僕以外に食べれるなんて幸せものだよ?」 ああ、だれも食おうとしないからな。幸せというより悪運尽きた感が否めねぇ。 ていうかお前が食う予定だったんだろうが。なに仲良くサンドイッチ頬張ってんの? 伶奈も自分の実験失敗作を人に押しつけて何自分は本当に幸せそうな顔してサンドイッチ食ってんの。 「ははは!哀れだな亮介。」 なんだとコラ。西本。後で体育館裏に来いや。 「はぁ……仕方ない。」 そう言ってオレはオープン・ザ・パンドラボックス。 「うわぁ………。」 有り得ねぇ。どうやったら真っ青なご飯ができるんだ?どうやったら真っ黒な梅干しができるんだ?どうやったら真っ赤な卵焼きができるんだ?どうやったら緑色のウィンナーができるんだ? 他にもツッコミ所満載だが、正直これほど食欲失せる弁当は初めてだ。 ただでさえ、隆太曰く「味は世紀末救世主級(悪い意味で)」なのに色彩からして食欲が生気ごとごっそり取られちまう。 「さぁ召し上がれ?」 そこへブラッディエンジェル伶奈の催促。何故に疑問? 仕方ない。あの技を使うか。image=227154395.jpg
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