プロローグ アイツとオレの初めての出会い。

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だが、これで自滅シナリオは脱出しても俺の空腹は解決してない。 「こうなったら最終兵器『パシリスト』だ。」 そう言ってオレは携帯の電話帳のグループ欄『パシリスト』を開いた。 ぷるるるる ぷるるるる 頼むから出てくれよ。 ぷるるるる ぷるる…… ピッ 『ひゃひゃひゃ!?』 「まともに喋らねぇとブチ殺すぞ」 『ひ、すみません……』 相手はこの学校屈指のへたれヤンキートリオの内の一人、ボケ近藤。 異様にムカつく笑い声と、その笑い声を継続して会話に転用しようとするその根性を見込んでパシリストに登録した。 まあ、これでわかっただろうけどパシリストはその名の通りパシリのリスト。名前を書かれた(あるいは登録された)奴は卒業までパシられるという、ある意味某ノート型殺戮兵器より恐ろしいものだ。 「お前、今どこいんの?」 『ええと売店の裏で一服……たむろってるけど。』 「丁度よかった。塩ヤキソバと唐揚げとカレーパンとトロリ生クリームプリン買ってこい。第一校舎の屋上だからな。」 『ええ!?お金は!?』 「じ・ば・ら。とっとと買ってこないと地獄の底まで地獄片道切符届けにいくからな。」 『ええぇ!!?そん……』 ピッ! これでよし! 「亮介、地獄の底まで行くんなら片道切符いらないんじゃない?」 ああ、確かに。って…… 「まぁモノは言い様だ。」 まあ、こういう事で。 「お前……絶対ろくな大人にならねえぞ。」 高山、お前には言われたくないぞ。 「そういう高山こそ、オレの二倍以上、パシリストに登録されてんじゃん。」 「まぁ……お互いさまって事で。」 そのとき隆太がいきなり話を振ってきた。
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