プロローグ アイツとオレの初めての出会い。

49/57
前へ
/252ページ
次へ
「さっきそこの階段からポニーテールの女子が降りていったのが見えたんだけど………」 「やっぱりか。成る程。」 てか高山のセンサーの精度にびっくりだ。 「知り合いなの?」 「心当たりねえな。なんか特徴は?」 高山が珍しく真剣な顔で近藤に問い掛ける。 「えっと……腕に生徒会の腕章つけてて、腰に刀さしてた。」 「生徒会ぃ!?」 「かたなぁ!!?」 「落ち着け、西本、高山。驚きすぎだ。流石に俺も刀にはビビッたが。」 このご時世、帯刀する生徒会員なんてどれだけ時代錯誤だ。 「まぁいいや、サンキュ近藤。」 「あ、それと。」 まだあったのか。もう十分帯刀生徒会でビビってんのに。 「今度転校してきた佐々木が君と佐藤くんの事、根掘り葉掘り聞いていったよ。」 佐々木ってあのボサボサのバカっぽい面したやつのことだよな? 「お前、全部喋ってんじゃねぇだろうな?」 「そんな訳無いよ!ただ………」 そりゃこっちの情報あっちに渡せばどうなることかわかってるはずだな。 「いつも居眠りしてる事とか、一学期期末テストの結果とか、ケンカの伝説とか………」 「ああ、十分伝えすぎだバカヤロー!!」 「ひいい!!ごめんなさいぃぃぃ!!!」 まったく。高山じゃねえがめんどくさい事になったな。 「どうする亮介?こうなったら接触は免れなさそうだけど?」 いや、楽しそうに笑ってるけどよ。元はあいつにお前が軽く接触したのが原因だと思うんだか。 「はぁ、やれやれ。いらねー奴に興味もたれちまったな。そろそろ行こうぜ?次は体育だからよ。」 「うん。」 「いきましょー🎵」 「めんどくせぇけど仕方ねぇ。」 「まぁそうだな。」 俺たちは第一校舎の屋上をあとにした。
/252ページ

最初のコメントを投稿しよう!

288人が本棚に入れています
本棚に追加