プロローグ アイツとオレの初めての出会い。

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ガヤガヤ…… 「うーん……どのタイミングで割り込もうか?」 体育館脇の路地の入り口から紅花達の様子を伺う。 「大体ウチにわざわざ来るからには何かしらの獲物がいるはずだよな?」 一応心当たりを探る。 隆太……あいつは今教室にいるだろ。 高山……あいつも教室掃除してるはず。 西本……確かに強いけどそもそもヤンキーに目ぇ付けられる理由ない。しかもここくる途中で会ったし。 怜奈……………まぁ確かに連中位なら一捻りだろうけど。まずキャラ的にありえねぇ。 結論から言うと心当たり全員教室にいた事で俺の思考は無駄になったわけだ。なんか悲しい。 「じゃあ、やっぱ佐々木って奴か?……ていねぇし!!」 先ほどまでたむろってた紅花の連中がいない。 いよいよマジィ事になりやがったな。 抜き足でそっと体育館裏に向かう。と……… 「………無様だな……!!」 薄ら下品な声が聞こえてくる。 もしや………リンチか? 「ほぉ、ついに先輩としてのプライドも捨てやがったか。」 そっと角から覗き見るとヤンキーの集団を前に佐々木が倒れていた。 それをよしと、パンチパーマや一般ヤンキー、レディース連中が混じって佐々木に次々と蹴りを食らわしていた。 「……………ホンット、高山じゃねぇけどめんどくせぇな。」 仕方ない。助けてやっかな。隆太との約束は取り敢えず返上だ。 意を決して隠れていた角から歩きだす。 「先輩方~。な~にやってんですかまったく~?」
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