プロローグ アイツとオレの初めての出会い。

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「あぁ?なんだてめぇは!!?」 格好はヤンキーぽくないのに目付きで相殺しちゃってるよ、コイツ。 俺を睨み付けてきた奴は佐々木に止めを差してしまったらしい。 ちょっと遅かったか。 「あたしたちに何の用かしら?ああん?」 粋がんなクソアマ。てめぇには用はねぇ。 「お、おい止めとけ!コイツに手を出したら……」 パンチパーマの総長が制止する。賢明だな。あんたら先学期始めに俺と隆太でぼこぼこにされてるもんな。 「はぁ!?たった一人相手じゃねぇか!なにびびってやがる!!」 言ってくれんじゃねーか。 てめぇは真っ先に蹴り殺す。 取り敢えず状況確認。 俺は今通路出口にいる訳で、その眼前に広がるのはヤンキーの群れ。体育館側の壁に近い方に佐々木が倒れている。その回りを囲むかのようにヤンキー共の頭達が立っていた。 「取り敢えずそこの倒れてる彼をこっちに引き取りたいんですがねぇ。ダメっすか?」 「野郎なめてんのかゴルァ!!?」 いきなり突っ掛かってきた見た目真面目君。 殴り掛かってきたが、所詮ヤンキーくずれ。隙がありすぎだ。 そいつの拳が届く前に上に払い除け、がら空きになった腹に中段蹴りをかます。 「がっ!!!!」 苦しそうな呻き声をあげながらその場にうずくまる真面目君。 こんなにも手応えない奴ぁ初めてだぜ。
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