第一章前編 落ちこぼれと生徒会長と金髪お下げと

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「じゃ、一通り探検と行きますか!!」 「おおーー!!」 隆太の掛け声に伴い、一斉に歩きだす俺たち。 一階。 所々火災報知器の赤いランプが灯っている。やはり電気は通ったままらしいな。 取り敢えず17不思議の一つ、『時々現れる赤い火の玉』は解決っと。 中の教室を廊下から覗いてみると綺麗に並べられた机が少し不気味に感じた。 「なあ、いつ土砂崩れが起こったっつったか?」 「確か5年位前だった気がするぞ。」 高山の問いに西本が答える。 確かに埃っぽさから相当前の出来事なのは百も承知。 「なんか出そうですね~。」 「平然とそんな恐ろしい事言うなよ怜奈。出たら出たでめんどくせぇぞ。」 高山がうんざりした顔でリアクションを取る。 意外に高山はその手の話は苦手かもしれない。オレもだけどな! 「一階はこれ以上探索してもいい部室はなさそうだね。」 「だな。階段行くか。」 階段は校舎の中程にある。 そこへ向かうと信じられない物を見つけてしまった。 「うわぁ………」 「こりゃすげぇや。」 「こんなところまで侵食されるなんて……」 「自然の猛威だな。」 「あーもー考えるのもめんどくせぇぞこりゃ。」 土砂崩れの土が階段のそばまで迫っていた。 助かったな。もうすこし侵食してたら二階に行けなくなる所だったぜ。
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