第一章前編 落ちこぼれと生徒会長と金髪お下げと

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2階に上がると真っ先に目に入ったのが、 「じ、人体模型……」 このご時世、人体模型なんてどこの高校も人目に付かないトコに保管してあるもんだろ、普通。 「ぶ、不気味ですね~……」 怜奈。吃るわりには随分表情が楽しげだな。 しかも防火灯の赤い光に照らされ中々に怖い。 よし、これで『夜中に現れる血だらけの人影』確認。 「亮介よぉ。もう一気に問題の屋上に直行しねぇ?本当に出たらマジめんどくせぇんだけど。」 なーんて事言いだしやがったよこのチキン高山ぁ!! 因みに問題の屋上とは『月夜に現れる部屋』のこと。実際は第一校舎が一番高い校舎だったから屋上の様子が周りからは分からん。明るい月がある場所に来たときグラウンドにその部屋のデカイ影ができるらしい。 「バカか!どうせ突撃しちまったんだ。端から端まで探索しねぇと意味ねぇだろ。」 ホントは怖いけど。事の成り行きとはいえ、ここを目的地にした張本人がビビるとわかればちょっと、いや、かなり恥ずかしい。 「そうだよ!折角だしさ~、この雰囲気楽しんで行こうよ~!」 ほら、隆太の後押しもあるし。ここは探索と行くっきゃないっしょ。 「じゃあ多数決で決めちまおう。」 西本の提案で文句無しの選挙勝負!高山のビビる顔を拝めるぜ。その分俺が耐えなきゃならんのだけど。
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