第一章前編 落ちこぼれと生徒会長と金髪お下げと

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‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡ ――保健室―― 「はい、おしまい。」 パチン! 「おーい山根先生ー。いたわる心があるなら傷口叩くんじゃねぇよ。あとちょっと叫んでよろしいか?」 「好きなだけどうぞ。」 そういって彼女はあっちを向いた。 よし、いっとくか。 「いってえぇぇぇぇぇぇ!!!!」 ああー!ただでさえ傷口に消毒薬染みて超イテェのに遠慮なく叩きやがってぇ! 今、保健室にて額の傷を手当てしてもらってる。 保健室の世話になるのはこれが初めてじゃねぇ。 その所為か保健室担当の山根ティーチャーには顔が知られている。まったく俺を恐がらねぇのは都合がいい。 「で、今回はどんな連中とぶつかったのかしら?」 うーん。今まで負けたことがないだけにカミングアウトするのが恥ずかしい。ただ俺は正直が取り柄だから包み隠さず話す。 「………とまぁ、こんなかんじでリンチされちまってさ。」 「あのねぇ龍一君、それはいろいろな意味で問題よ?第一、学校の生徒じゃない人が校内にいるだけでも十分問題なのに。たまには先生達に頼ったら?」 確かに。こんだけあれば学校側は黙っちゃいないだろう。だけど、 「やなこった。この学校の先コーどもは誰一人生徒を想っちゃいねぇ。」 少なくとも俺はそう思う。
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