第一章前編 落ちこぼれと生徒会長と金髪お下げと

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「うーん。先生の一人として耳が痛いわね。確かに私の目からみても校長と滝本先生以外みんな自分の身がかわいいみたいだし。」 校長だって滅多にいねぇのに。その滝本って先公がどんなやつかは知らねぇが所詮先生は先生だと思うがな。 あ、取り敢えずこの人にも聞いとくか。 「山根先生、銀崎亮介知ってんのか?」 すると山根先生は片眼鏡の奥の瞳をキラリと光らせ答える。 「ええ、知ってるわ。先学期のテストで佐藤君についで3位に入った彼の事よね。」 「その確認とる段階でも色んな情報が得られたけどよ、」 少し言葉を溜めるオレ。 不思議そうな顔して山根先生がこちらを見てくる。 「アイツは……何か武術系の部活か道場にでも通ってんのか?」 一人で、しかも素人があの数を撃退するのは到底不可能だ。なんか武術でもしてないと説明つかない。 暫く考えるように天井を眺めていた山根先生はふとこちらを見てこういった。 「彼は帰宅部よ。いつも一緒にいる佐藤君と一緒に帰ってるし。」 やっぱりか。ならどうしてあんなでたらめな強さが得られたんだ?直接見てる訳ではないから余計気になる。 ふと見ると山根先生は険しい表情でこちらを見つめて来る。 「あのね、あんまりこういうこと話しちゃいけないんだろうけど……」
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