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そんでもって………
「あったあった。例の……」
てか、教室!?そんくらいデカイ部屋が屋上の片隅に存在感を放っていた。
隣には何かしらモノを保管する為かシャッター付きの物置が隣接している。
窓は締め切ってあって、視線の位置に丁度すりガラスがあるため大部屋の中の様子がわからない。
「めんどくせぇし、西本、もう一回やってくれ。」
「あ、鍵は壊さないでね。部室になったら使うからさ。」
俺が西本に言い終わらない内に隆太が釘さす。
西本が頷いて了解した後、たちまちデカイ金属音が響き鍵が外れる。
「じゃ、オープンザドアー!!!」
教室に駆け込む隆太。まるでガキみてぇ。童顔と相まって更に子供っぽい。
隆太の後に続き、怜奈が直ぐ様中に突入。と、同時に「スッゴーイ!!!」と感極まった喚声が聞えてきた。
西本と目を合わせ、俺達も大部……めんどくせぇから教室でいいや。教室に入る。
………確かにスゲェや。前半分は本当に教室みたいに机が並んでるが後ろ半分は畳張りじゃねーか。
「おい、簡単な台所もあるぞ。」
西本の言うとおり、後ろの方には流し台とクッキングヒーター、電子レンジまであるし。
「おい、この部……教室は何の為に作られたんだ?」
俺の問いに隆太が答える。
「元々来客用に全部畳張りにするはずだったらしいけど予算の都合で中途半端になってそのまま多目的教室になったらしいよ。」
目を輝かせてあちこちを物色しながら答える隆太。てか、大丈夫なのか?勝手に入った上に物色しちまってよ。めんどくせぇのは御免だぞ。
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