第一章前編 落ちこぼれと生徒会長と金髪お下げと

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流石に閉めきった空間ではホコリが目立つ。 シャッター開けた途端入った風により一気に中のホコリが舞い上がる。俺、鼻炎持ちなんだけど。 「けほっけほっ!!ちょっと待とう。こんだけ煙いと前も見えん。」 「心配いらんぞ高山。オレに任せろ。」 何する気だ?と、聞く間もなく西本が気合いをいれる。 「はぁぁぁぁぁ!!!!」 フォンフォンフォン!! 鉄パイプを三回振り回し、その風圧で中のホコリを全部吹き飛ばした……て、ちょっとまて。 「おい、それ人間技か?」 「まるで俺が人間じゃないみたいな言い草だな。」 西本が呆れながら答える。 呆れたのはこっちだよ。普通鉄パイプごときで風起こせるか? ただ、これ以上ツッコむのはめんどくせぇから黙って探索続行。 中に入るとまず目に付いたのは段ボールの山。倉庫の奥はこの段ボールの山で確認できない。 「仕方ねぇし、この段ボールの山片っ端から調べるか。」 「ま、妥当だな。」 そういって俺達は段ボールの山に取り掛かる。 「おいおい、こりゃ大収穫だぞ。」 「こっちもだ。なんだってこんな所に大量の食器が……」 次々に段ボールから見つかる収穫。 食器をはじめ、鍋やフライパン、大量のノートや筆記用具、あるいはコーヒー豆やティーバッグ。 これだけあればもしかしたら生活できるかもしれん。 「こうなったら意地でもここを部室にしないと。」 「ああ、もったいない。これだけあれば向こう一年はノート代浮くぞ。」 その時、 バン!!! 俺達の後ろ、即ちシャッターの外からデカイ音が響いてきた。
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