第一章前編 落ちこぼれと生徒会長と金髪お下げと

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「なんだなんだ?何の音だ?」 倉庫から飛び出した俺達の眼前に、おそらく先ほどの音の正体である開かれた下へ続く階段の扉から出てきたのは……    「おぉ、亮介!!」 「やっときたか、めんどくせぇ。」 だけど何か様子がおかしい。 なんか表情がピリピリしてる。 しかし、答えはすぐに出た。 後ろから佐々木龍一がついてきたからだ。 「おい、なんかヤバイ雰囲気じゃねーか?」 「ああ、なんとなく分かるがあのままだったらタイマンに行っちまうぞ。」 ホント、めんどくせぇモン連れてきやがったな。 「おい、亮介!お前一体……」 「なぁ、隆太は?今どうしてる?。」 亮介の声がいつもより低い。間違いない。ケンカだ。 「アイツは例の教室をガキみたいにはしゃいで物色してるが……」 「なら丁度いい。隆太に見つかれば急所一発じゃ済まないしな。」 そう確認取ると間髪入れずに佐々木に向き合う亮介。マジで殺る気満々? 「まぁ、立会人できちまったが。別にいいよな?」 「ああ、構わねぇ。さっさと始めようぜ。」 西本が神妙な顔で俺を見る。 無理だって、止めんの。亮介がキレたら何するか分からんしさ。 暫く無言で睨み合う両者。と、佐々木はポケットから細長い布を取出し、頭を巻いていた包帯を取りその布をハチマキみたいに頭に巻きつけた。 亮介もそれを確認すると、自分も耳にしていたイヤホンをとりカバンを横に放り投げた。 お互い完全に戦闘体勢にはいった。こうなったらもう俺達にはどうしようもなかった。image=231366342.jpg
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