第一章前編 落ちこぼれと生徒会長と金髪お下げと

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「ほら、そっちから来いよ。」 銀崎が挑発してくる。つまり、余裕って訳か。 「へっ、ならその面に一発ぶちかましてやらぁ!!」 俺はそのままダッシュし、拳を素早く銀崎の顔面に打ち込む。 奴は一瞬驚いた様な表情を見せたが俺の拳をそのまま手で脇へ弾き、間合いをとった。 「ビビってんじゃねーぞ!!」 「誰がビビるかってーの。」 俺が更に繰り出すジャブを紙一重で受け流しながらまた間合いを取る。 「おい、さっきからかわすばっかじゃねーか!ヤル気あんのかゴルァ!」 「もともとねーよ!有無言わさずタイマン持ち込んだのテメーだろうが!」 そんな事を言いながらも俺が次々に放つ拳を華麗に避けやがる。 段々イラついてきた俺はついに溜め打ちを放った。 「ゥオラァァァ!!」 銀崎はそれを咄嗟に身を翻してかわしやがった。 勢い余って銀崎の後ろにあったコンクリート壁に俺の溜め打ちが当たった。 バコッ!!! 当たった瞬間そこに蜘蛛の巣みたいに放射状のヒビが入ってしまった。 「おまえ………人間?」 銀崎が顔を引きつらせていた。 もっとも、拳つくってたとは言え、俺も相当手が痛いんだが。 「あたんまえだ!!人を化け物扱いすんな!」 「別にそんな事言ってないが……」 湧いてきた怒りを拳に乗せ、懇親のストレートを放つ。 完全に奴の顔面を捉えた。これが当たるなら間違いなく吹っ飛ぶ。 俺は勝利を確信した。
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