第一章前編 落ちこぼれと生徒会長と金髪お下げと

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‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡ あー……… またやっちまったな………… 目の前で木の葉みたく宙を舞う佐々木を見ながら、俺は心中穏やかじゃなかった。 結局自制の意味もなかった。わざわざ約束してまで封印してた蹴りをこんなにあっさりと……… バンッ!! ドシャッ!! 壁に背中からぶつかり、そのまま地面に崩れ落ちた佐々木。立ち上がらないけど一応呼吸してるからただ気ぃ失っただけだな。 罪悪感湧いてくるもその後聞こえたある声に俺は瞬時に冷や汗が止まらなくなった。 「亮介~、何してるの~!?」 ああ、声のトーンからニコニコ顔だと察したが、絶対キレてる。白々しく『何してるの~?』なんて言ってるが絶対一部始終見てる。こんな時どう対応しよう。 選択A―「おお、隆太!ちょっとお笑いで佐々木と意気投合してな、軽くコントしてる内に軽く突っ込み入れたら吹っ飛んじまった!はははは!」 選択B―「来るな!俺は……人として最低な事を……アイツの事情をもっと早く知っていれば……」 選択C―「ふはははは!!何してるとはとんだ挨拶だな!この状況見て分からないか?殺したんだよ!俺のこの手でな!」 選択D―「りょ、隆太!違うんだ!たまたまここにきたら既に死んでたんだ!断じて俺は殺ってな……… こんな調子で挙げていけばキリないし段々現実から離れていくし勝手に佐々木殺しちゃってるし…。何よりどんな事言っても俺隆太に殺されるのは避けられないような…… 仕方ない!ここは無難に気持ちを落ち着かせる選択Aでいこう!A列車でいこう! そう決意し、俺は対応すべく隆太に『体ごと』向き直った。
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