第一章前編 落ちこぼれと生徒会長と金髪お下げと

25/129
前へ
/252ページ
次へ
「どうやらまたお客さんらしいね。」 どういう事だ?佐々木以外にもまた誰か来たって事か? 西本と顔を見合わせる俺。ふとこちらに顔を向けていた隆太が急に声を張り上げた。 「そんな所で見てないでこっち来なよ。生徒会長さん。」 生徒会長だと………? 誰だっけ? 「会長って…まさか。」 西本が驚いた様に反応する。コイツ知ってんのか?と思いきや、 「そのまさか、さ。」 声の主が、階段へ続く扉から姿を表した。 「キミがこんな連中と一緒にいるとはな……西本大河。」 「鏡………京子部長……」 鏡と呼ばれた女は確かに腕に生徒会の腕章をつけていた。 後ろで縛った髪が風になびき、こちらを睨み付ける鋭い目が威風堂々を物語る。 確かに凛々しい顔といい、その…ナイスバディといい、生徒会長にはうってつけだ。腰の刀は明らかに行き過ぎだとは思うが。 ちくしょー!なんで隆太といい西本といい、美人に縁があるんじゃゴルァ!めんどくせぇけど彼女欲しさに頑張ってる俺の身になれやぁ! いや、それより…… 「部長?会長の間違いじゃないのか?」 西本が気まずそうに答える。 「いや………生徒会長であり、現剣道部部長だ。」 うはー、さぞかしいい内申書ができるだろうな。俺にゃ関係ない代物だがな。 「で、生徒会長さんが僕達になんの用かな?」 隆太がニヤリと笑いながら挑発気味に鏡に問う。 「ふふ……何の用とはご挨拶だな。普通生徒会が見知らぬ個人に用がある時は限られている筈だ。」 鏡も凄まじく不敵な笑みを浮かべて答える。 もしかして、生活についての口辛いご指導の事か? 「キミ達の事は噂では聞いていた。何も、入学早々先輩の方々の手厚いもてなしをのし付けて返り討ちにしたとな。」
/252ページ

最初のコメントを投稿しよう!

288人が本棚に入れています
本棚に追加