第一章前編 落ちこぼれと生徒会長と金髪お下げと

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「取り敢えずキミには成敗が必要だな。峰打ちだしちょっと痛くするが悪く思わないでくれ。」 矛盾してるって。こんな理不尽な状況悪く思わない奴ぁいねぇよ。 と思っている内に俺めがけて突進してきやがったぁぁ! 「うわぁぁぁぁ!!!」 あまりの恐怖に目を閉じた瞬間、 ガキィィィン!!! 凄まじい金属音が響いた。 おそるおそる目を開くと間一髪で鏡の刀を鉄パイプで受け止めた西本の姿が。 「会ち……部長、それはないぞ。高山は一切関わってないし、第一そこの2つの死体は勝手におっぱじめて勝手に共倒れしただけだ。」 うーん、ナイスだ西本。 おかげで無くさないでいいはずの命を無くさずに済んだぜ。 ってややこしいな、これ。 鏡も渋々といった感じで刀を引く。 「ふっ……仕方ない。大河の顔に免じて見逃そう。」 見逃そうもなにも、俺何もやってないんだが? なんだか俺ももやもやした気分になってきた。 「あの2人は後日、ゆっくり語り合うとしよう。キミ達もこんな所にいるから疑われるんだ。早く帰りたまえ。」 そういうと鏡は、そのまま振り返りスタスタと階段へ続く扉に向かって歩きだした。 「そういえば……」 と思いきや、またこちらを振り向き隆太を見ながら話し掛けてきた。 「前回の学年別で2位だったのはキミか?佐藤君とやら。」 「うん、そうだよ。そこで股間押さえてる死体も3位なんだ。」 相も変わらずニコニコしながら隆太が答える。 鏡は真っ白な顔で股間を押さえる死体を一瞥し、こちらへ向き直る。 「ふう、キミ達みたいなのに負けてしまったのか。すこぶる残念だ。」 ちょーしつれー。頭悪いと思ってたのに発言だぞ、それ。まぁ俺はあんまり威張れるようなもんじゃないがな。
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