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…………くっ、腹が………
銀崎のヤロー覚えてやがれ……
ここは何処だ?
いつの間に俺は意識が………
「あ~!佐々木君ゴメーン!!」
へ?
と、顔を上げた瞬間、俺の視界にカレーの皿が。
べちゃっ!
「うあ熱ぅ!!あちちちち!!」
がぁぁぁぁぁ!!!
顔が!!目が!!目がぁ!!
これなんてデジャヴ?
………うまい。
なんだこのカレーは。
ピリッと効いたスパイスの中にもコクがあり、まろやかさの中に繊細な旨み……まさにカレーキング。
「う、うめぇ………」
「だろ?『麗奈先輩』の料理はなんでもうめぇんだよ。カレーは特にな。」
思わず出てしまった俺の呟きに、応答しやがった奴がいた。
この声は……
「てめぇ………さっきはよくも!!!」
いっきに顔にへばりついてたカレー皿を取ると横にはソファーに座り込んだ銀崎。
俺の言葉に落ち着いた様に応える。
「おっと、待ちな。ここは人様の店。暴れたらどうなるか位わかるよな?」
いや、あちこちカレー塗れなんだけど。
向こうじゃ佐藤が誰か知らないノッポと床に落ちたカレー投げ合ってるし、際どい服来たエプロン姿のお姉さんが腹抱えてわらってるし。
何より俺の上に馬乗りになって謝ってくる憧れの………
「ちょ、どこのってんの……」
「ごめんなさ~い!勢い余って転んじゃって。佐々木君のカレー持ってきてあげようと思ったからで~。」
やべ、興奮してきた………。
だって憧れの女の子がそんな関係でもない俺の上にまたがって涙目で謝ってきていて……
次の瞬間萎えた
「ホントにごめんなさぃ!許してくれないと困るの~。」
いや、あの……
謝ってくれるのはいいんだけど、なんで胸ぐら掴んでくるんですか?しかもめっちゃ苦しいんですけど。
やばい死ぬ死ぬ死ぬ!!
「わ、わかったから!手ぇ離して!!離してくれないと死んでしまう!!」
やっとこさ冥土の際から帰れた。
今日は厄日だよな……死にかける事ばっかだし。
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