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黒神燈也は孤独だった。
とは言っても普段からそうなわけではない。
今日に限って、だ。
「…淋しいなぁ…」
スッゴく不謹慎だけれど、彼には彼女が二人いる。
それはお互いに確認済みだし、別に喧嘩したわけでもない。
けれど、燈也は1人で通学するしかなかった。
だけど、朝のホームルームで燈也は死ぬほど感じた。
今日の朝みたいな時間は二度と来ないと。
☆
「ほれ、さっさと席に着け!」
怒鳴っているのは担任の…あっれぇ!?
燈也は目を見張った。
スーツに身を包んだ長身の男性。クラスメートは目をぱちくりさせてるけど燈也は彼を知っていた。
遥か彼方の四千キロ先からでも十円玉を狙えるくらい正確なスナイパー。
名を、リングと言う。
「あ~…前の担任が産休…?を取ったので今日から俺が担任を勤めるリングだ。以上」
う、嘘だ!
燈也は思う。
だって前の担任は男だった。
とるにしても育児休暇のはずなのに産休って。
「さらに、転校生が二人いる。入ってこい」
燈也はすごく、いやな予感がした。
1人はあらかじめ知っていた。
けれど、二人目ってまさか…!
ドアが、開かれた。
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