1.学園テスト戦争~開幕の宴編~

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諦めていた。 蓮華に加えて恋まで学校にくれば当然、平和な学園生活なんてありえない。 わかっていた。 燈也にはわかっていた──けれど、いくらなんでも早すぎる。 既に周りでは「燈也くんって女たらし…」とか「両手に花かよ…」とか「神にでもなったつもりか!」とかざわざわしてる。いや、まぁ神なんだけど…。 「え~…まぁ、二人とも燈也の両サイドが空いてるから適当に座っとけ」 「あら、ずいぶん都合がいいわね?まぁいいや、どうせおばあ様がしてくれたんでしょ」 いまだに羞恥で固まったままの燈也の隣まで歩いていって、揺する。 「燈也くん、授業始まるよ?ほら、座ろ?」 「あぅぅ…!なんで蓮華さんがこっちにいるんです…むぐっ?!」 言いかけた燈也はいつも蓮華が都合悪くなると使ってくる『蓮華の果実』攻撃を食らった。 クラスがどよっとざわめく。 ふんわり甘い香りが鼻をくすぐって、一瞬だけ、あ、別にどうでもいいかも…とか思うけどすぐに考え直す。 けれど蓮華は燈也を動けなくする手段を知っていた。 きつく抱きしめていた手をゆるめ、顔半分が埋まったままの燈也に自分の顔を見せる。 「ごめんね!朝、ひとりぼっちで寂しかったよね…?燈也くん甘えん坊さんだから一緒にいたかったよね…」 「ふむっ!?」 居たかった。寂しかった。 けれどわざわざそれをクラスメートの前で言うか!燈也は蓮華の狙い通り真っ赤になって固まるのみだ。
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