私ハ彼方ヲ忘レナイ

3/3
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/3ページ
―あれから更に半年― 私、今はとっても幸せよ。 イオも凄く優しいし。 でもイオは時々、よく分からない事を言う。 「結衣音?最初から聞こうと思ってたんだけど、何でおれをイオって呼ぶんだよ?おれは…―」 やめて。 その先は、聞いてはいけない気がする。 あにぃが死んでしまう気がするから…。 私はイオの言葉を無理矢理遮った。 「イオはイオだよ!…ねぇ!私、あれ食べたいなぁ」 話をずらしたついでに思いっきりイオに甘える。 ふと、隣にあった電機屋から聞こえてきたニュースが耳に入った。 『昨夜、男性の死体が発見されました。 男性の名前は〇〇会社に勤める荒瀬灯亞さん、20歳。 警察は死因を刃物による他殺と…』 あにぃ。元気なんだね。 …よかった。 「うふふっ!イオ!はやくっ!!」 「おい…ι待てよ!結衣音!どうした?急に機嫌良くなって…!」 「ひーみーつー!!」
/3ページ

最初のコメントを投稿しよう!