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「ああ。そうだな。プロが確率のとことん低い仲間の助けに依存しながら死んで行くなんて、ダサくてやり切れねえ。どうせなら派手に行こうぜブレッド」
「ああ。生きるにしても死ぬにしてもだ!」
ブレッドは懐からナイフを取り出してスノーボールに手渡した。
「お前に任せたぜ!恨みっこなしだ。思い切ってやれ」
スノーボールは唾をゴクリと飲み、ナイフを受け取った。時計はもう三分を切っていた。スノーボールはプラスチックの箱を慎重に開けて、ダイナマイトに繋がる五本の線から青いのを選びナイフを当てた。
「スノーボールはブルーハワイさ……」
モニター室でニヤニヤ笑っている男がいる。
「ああぁ、切ったらボカンだぜ?」
男は長い黒髪を指でそっと耳に掛けた。八台のモニターがあり、一番左の画面にスノーボールとブレッドが映っている。
「配線もダミー。時計もダミー。何もしなきゃ爆発はしないのに……。ブレッドと早撃ち対決したかったなあ。まったくバカは死に急ぐね。」
いい終わるや否や、モニターは爆音と共に一瞬真っ白になり、ザザーッと砂嵐の状態になった。
完
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