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「もしも~し!」
私は待ちわびたリョウタンからの電話が嬉しくて嬉しくてたまらなかった。
「すみません。私、ジョウシマの妻ですけど…。」
予期せぬ事態に激しい動揺が私を襲う。
「はい…。」
「もう、あの人に関わるのやめていただけませんか?
迷惑なんです。」
「…」
「どのように聞いていらっしゃるかわかりませんけど…。
今はちょっとケンカしてるだけで、私達離婚なんてするつもりはありません。」
「…」
私は突然の出来事に何を口にすればいいかわからずにいた。
沈黙の中、ケータイの向こうから泣いているような声が聞こえる。
そして…
「あなたがいなければ、何もかもうまくいくの。
お願いだから、もう邪魔しないで。
お願い…。」
そう言って電話は切れた。
今でも耳に残る奥さんの泣き声と言葉が
私の心に突き刺さっていた。
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