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念願の美大に入ってあっという間に五月病になった俺。
川野健二。
この大学に入る為に割りと真面目に今まで生きてきた。みたいな気がする。
なのに…ある日突然 授業にヌードデッサンが組み込まれてからというもの。
女という生物とは、あまりかかわり合うことがなかった18年間…なのに突然知らない女の裸を強制的に見せられ、そこから芸術と呼ぶものを創りだすほどまだ人間ができていない。
毎日 大学に通えば拷問のような時間が流れていった。
そうしているうちにGWがきた。
俺は課題もこなせず、また予定もたてずにいたので、GWは家から出ないでおこうと思った。
GW初日。
昼過ぎまで寝ていた俺はキッチンへ行きテーブルの上にある置き手紙を見た。
『吉田さんと恒例のGW旅行に行って来ます。帰りは5日後です。加那ちゃんのこと宜しくね。
父・母』
と書いてあった。
とりあえず…
5日間はグータラしていられるな。
そう思い棚の中からカップ麺をだした。
ピンポーン♪
無視無視―――。
ピンポーン ピンポーン♪
ぼやぁとしてたので思わず玄関まで行ってしまった…
『どちら様ですか?』
というと
『健ちゃん 加那だよ~開けて』
って早速かよ!
と思いつつドアを開けた。
加那はニコッってすると
『お邪魔しま~す』と勝手に上がった。
リビングのソファーにひょこんと座り
『何?もしかして今起きたの?』
って少しバカにして言った。
『まぁね。で、何か用?』
と軽く受け流した。
『せっかくのGWだから健ちゃんと一緒にいたいなぁと思って。どうせ予定もないでしょ?』
と加那はまるで見透かすように言った。
『予定はないけど…課題があるから無理』
ちょっと強く言ってみたが、加那は
『ふ~ん。で、今日は何するの?課題って大変なの?どれくらいで終わる?私お昼も食べてないからとりあえずランチ行こうよ~。ねぇ早く着替えてきて。』
と強制的に今からランチ?に行く流れになった…
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