9月25日 木曜 曇り

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変なところで感心していると、チェシャ猫がまた口を動かさずに、語りだした。 「ボクはチェシャ猫。アリスを探してる。アリスが居ないと、物語が“終息”しない。“始まり”がないと“終わり”がこない。終わらなければ、また始まれない。永遠に、螺旋を、回っていたのに、アリスがいないから、螺旋が平行に、なった。ただ、平坦に、まっすぐに、暴走する。まっすぐにしか、進めない。“終わり”のない、物語は、物語じゃ、ない。“変化”のない物語は、死んでしまう。だから、ボクは、来た」 ……詩?よく意味が分からないのだが… 「簡潔に、要点だけまとめんさい」 私は詩の内容、意味を理解することを放棄した。てか詩って理解しようと思うだけ無駄な気がする。 チェシャ猫は、また首を傾げて考える素振りをすると、今度は短い言葉で簡潔に述べた。 「アリスが居なくなったから、ボクはそれを探しにきた」 OK、簡潔だ。 ようは人捜しに来たわけだ。 「しかし、居なくなったって…」 不思議の国からアリスが居なくなったってことだよね? ……そんなことあるのか? いや、チェシャ猫がここにいるから、同じようにアリスも本の世界から抜け出して、この世界に来て……あ、あれ?なんか頭の中がゴチャゴチャしてきた! 「えーと、……とにかくチェシャ猫はアリスを捜しに来たのね?」 「うん」 「じゃあ捜そう!捜しに行こう!」 とにかく、分からない事、頭で考えていてもどうしようもないことは頭の隅にうっちゃって、行動することにした私は、クルリと踵を返して、図書室の入り口に戻ろうとした……のだが、 ガックン! 「うわぁぁ!?」 何故か足元をすくわれたとゆうか、床が後ろに引っ張られたとゆうか…そんな感じがして、とにかく私は足だけ後ろに引っ張られて、そうすれば当然前のめりに倒れるわけで… こ、コケる! グシャッ
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