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「確か今二時間目の授業中だよなぁ…?」
首を傾げながらも、教室に群がっている生徒の群にそろそろ近付く。
すると、その生徒の群が殆どウチのクラスの連中なのが分かった。
見慣れた顔がちらほらいるし。
「……なにやってんの?」
「あ、本木さん!
私の声に答えてくれたのは、昨日飴をくれた広松さん。
……そういえば、あの飴まだ食べてないや。
「広松さん、一体何事?これ?みんな教室の外でなにやってるの?」
「えーと…ね、猫をね、閉じ込めてるの…」
「……猫?」
広松さんが口にした“猫”とゆう単語に激しく反応する私。
勿論脳裏に浮かんでいるのはあの猫である。
「うん、あのね。何故かいつの間にか教室の中に猫が居てね、ほら、数学の先生猫嫌いだから、授業を中止して、保健所に連絡に行ってて、その間私達は扉を閉めて、猫が逃げないように…て、本木さん?」
親切に説明してくれている広松さんの声を、右から左に聞き流しながら、私は生徒の群をかき分けて、教室の前の方の扉に手を掛けていた。
戸惑ったような視線を向けてくる広松さん、他クラスメイトを無視して、私は迷いもなく扉を開けた!
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