9月25日 木曜 曇り

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「眠い…」 「そうか、本木。なら先生が永眠させてやろうか?」 「いえ!結構です!」 「じゃあ真面目に授業を聞くように」 そう言ってポカッと丸めた教科書で私の頭を叩いて教壇に戻っていく、担任教師で古典教師のツルリ…とゆうのは勿論あだ名で、本名鶴岡 巳隼(つるおか みはや)先生とゆう男の先生である。 あぁ、一応本人の名誉の為に言っておくが、頭が禿げててツルッとしてるから『ツルリ』なのではなく、春休みが終わって新学期一日目のHRの時に、教室に入ってきていきなり、ツルッと床で足を滑らせ、そのまま半開きになっていたドアに後頭部を強打するとゆう、芸人が羨むようなコントをやったからである。 それ以来、『ツルリと滑ったツルリ先生』とゆうあだ名で親しまれているわけだ。 まぁそのうち『禿げのツルリ』(あ、なんか名前っぽくなった)になるかもしれないが。 まだ20代後半だからまだまだ先の話だろうけど… 「本木!本木 創!(もとき つくる)」 「ふはい!?」 私がツル先(ツルリ先生、略してツル先ね)の禿げな未来に心飛ばしていると、現在のふさふさツル先に現実に引き戻された。 「なにが“ふはい”だ。また寝ていたな」 失礼な!ちょっと未来に心飛ばしてただけだい! 「…………」 あ、なんか睨まれてる。ヤベッ、思考が電波になって届いちまったか? 「……ハァ…86ページ、三行目から次の改行まで読め」 「へ~い」 なんか残念な子にたいするような視線とため息だったが、気にしない。 いつものことだし。 今日も私の周りは平和だ。
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