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キーンコーンカーンコーン
「終わったー!じゃあなツルリ!私は帰るぜ!」
高速のスピードでカバンに荷物を詰め、音速のスピードで教室の出口にダッシュする私を、しかし古典教師はガッシリと肩を掴んで止めた。
「待てや、寝ぼすけ。帰りの挨拶もせずになに速攻で帰ろうとしてやがる」
ドスのきいた声でそんなことを言ってくるツルリ。しかし、今の私はそんな声も怖くない!
「離せ!今日は楽しみにしてた小説の発売日なんだ!神が降臨する日なんだー!」
「なんだよ神って。て、カバンを振り回すな!」
だー!腕も掴んで拘束しやがったよこの教師!
「変態!離せ!セクハラだ!ツルリのくせに!」
「誰が変態だ!人聞きの悪いこと言うな!あとそのあだ名はよせ!」
やっぱり本人、ツルリとゆうあだ名は嫌らしい。でも仕方ないツルリはツルリだ。既にツルリ以外、私達の脳は受け付けないんだ!
てかそんなことはどうでもよくって!
「早く離せよ!ツルリ!なんか用かよ!」
「すっかりガラが悪いぞお前…いいけど。嫁の貰い手がなくなるだけだし」
失礼だな!てかガラが悪いのはお前のせいだろ!お前が不当に私のことを拘束してるからだろ!
「あー、図書委員。授業で使った本を図書室に返して来て欲しいんだが?」
「は?そんなことで私の進行を阻止したのかよ!自分で行けよ!」
ここから図書室までは、右手にある階段を降りてすぐ。明らかに図書委員に頼むほどのことじゃない。
「そうしたいのは山々だが、俺はこれから大切な使命があってな。すぐに学校を出ないといけないんだ。とゆうわけで任せた!」
その言葉と同時に、私の肩と腕を掴んでいた手を離すと、私以上のスピードで教室を飛び出すツルリ。
「あーーーーーっ!?」
逃げやがった!!
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