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「あ、そうだ。はい、本木さん」
「は?」
心の中で、打倒ツルリを決意し、憎しみの炎を燃やしていた私の手のひらに、ポンッと広松さんは赤い包装紙に包まれたキャンディーを置いた。
………なにこれ?
「私は手伝えないけど、これ食べて頑張ってね!これ元気が出るキャンディーだから」
そうニコニコと告げて、広松さんは軽い足取りで教室の出口へと向う。
「じゃあ頑張ってね。ファイトだよ本木さん!」
ガッツポーズを私に向かってやったあと、広松さんはスキップをしながら教室から出ていった。
なにあれ?天然娘?
……いや…てゆうか…
「結局一人でやるのかよー!!」
既に誰も居なくなった教室に、私の悲痛な叫びだけが木霊した…
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