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カウンターの半分程を占領し、身体を丸めている猫…らしきモノ。
何故“らしきモノ”なのか。
それは色々非常識だからだ。
大きくてフカフカしてそうな耳。身体が大きいのに比例して、顔も丸顔で大きい。その顔には大きくて真ん丸な目がついている。
尻尾は猫とゆうより狸。太くて付け根の方から先端にフンワリと膨らんでいる。
フランクフルトみたい。不味そうだけど。
そしてそんな外見に、特に際立って異様なのは目と身体の模様と口だ。
目は右は赤で左は青、白目の部分は黄色とゆう信号機のような組み合わせ。
身体の模様は、頭の天辺から額に掛けて、二本の縦線が入っており、背中には横線が、…ひぃ、ふぅ…三本。
尻尾には、まるでリングがはめられているような模様がこれまた三本入っている。
ここまでならまだ普通。問題は色だ。
なんと縦線や横線の色が紫色なのだ!因みに全体的な色は薄茶色、腹や足は見えないが、なんか境目のところに白い毛が見えるので白だろう。あと、顔の下半分から左目の周りは白である。
そんな白い綺麗な毛並みに包まれているのは、これまた真っ白な歯をむき出しにして、ニンマリ笑顔を形作っているお口。
…猫の口ってこんなニンマリ出来る程デカかったか?
とにかく何処もかしこも、私が見たことのない外見……いや?
「何処かで見たことある…か?」
「ねぇ…」
ポツリと、私が呟いたのと、謎の猫らしきものが話掛けてきたのは同時だった。
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