一言目

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「ちょっとー。美佐子ー。夜ご飯よー。」 お母さんがあたしを呼んだ。 「はーい。今行くー。」 まだ、着信音がならない神器の携帯を見ながら、部屋を出た。 リビングにつくと食卓には、今日もご馳走が並んでいた。 「おいしそー。」 おっと よだれが垂れる垂れる。慌てて口を押さえた。 「今日も、張り切っちゃった。いっぱい食べてね。」 お母さんは、料理が大得意だ。 誰もお客さんが来るわけではないけどいつも豪華なメニューだ。 「お父さんは?」 「今日は、夜遅くなるって。」 「ふーん。」 「だから、先に食べててって」 目をウルウルさせて 寂しそうに言ってくる。 「なら、いただきます。」 あたしは、 取り皿に、食べ物をとり始めることにした。  
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