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ナギが息を乱しているのを初めて見た。
そして藤よりも激しく返り血を浴びている。
「今からタマの武器を出すから」
「はい?」
「イメージすれば出せるはず」
「いやいやいや。無理だろ?」
「大丈夫。自分の武器を出すなんて、小学生でも出来るから」
武器を出す? 無理だろ。琴音に助けを求める視線を送ってみたが、ふてくされていて無視された。
「さっき私が見せたでしょ? あれをイメージして」
「アドバイスそれだけ?」
「最初は目を瞑るといいよ」
「取りあえずやってみるけど……」
目を瞑る。
相当分厚い壁なんだろう、静かだ。
武器武器武器武器武器……。
しの
しの
しの……なんだよ。
しのの
しのの……だからなんなんだよ!
しののめ
東雲!
「をうっ」
手にきた重さに気づき目を開けると、俺にも武器が出せていた。
日本刀?
脇差し程度の長さだよな、コレ……。
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