嫌なヤツ

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『強くなるから』 そんなコトを言ったのはもう、1週間前か。 ナギスペシャルというふざけた名前の、地獄みたいにキツい基礎練習もようやく終わり、今は剣術の基礎練習に移った。 「ほらっ、刀は自分の腕の続きだと思うの!」 相変わらずナギはスパルタで、木刀を握る手のひらには豆が幾つも出来て染みるように痛い。 学園の施設内にある、これまたやたらと広い道場には数え切れない程の数の人間が武術、剣術などあらゆる鍛錬している。 「なあ? 良く考えると、武術に剣術も含まれるよな?」 「含まれるわよ。でも部活道での武術は、体術って考えた方がいいかな」 フムフム。 まあそんなコトはどうでもいいんだが、何かを話していないとやってられなくなる。 だってメチャクチャ浮いてるんだもん。 「なあ? ナギって何なの?」 「何が?」 「凄いチラチラ見られてるよな」 道場で制服ってのが、もう既に可笑しいよな。 男共のイヤらしい視線って訳ではない。 なんかこう……、冷ややかだよな。
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