嫌なヤツ

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「へぇ、剣道部なのか」 と、黒髪の細目が言う。 ええ、剣道部ですとも。それにしても、さっきよりも冷たい視線が増えている気がする。 特に女共の冷ややか且つ威圧するような、視線だ。 最早睨まれているな。 「邪魔しないでくれる? あんたらに用はないの」 「そちらがなくとも、こちらにはあるのです」 ああ、青髪野郎はまどろっこしい喋り方だな。 「風紀委員にケチつけられるようなコト、してないけど」 風紀委員? そうか、だからこんなにも面倒臭そうなオーラを撒き散らしているのか。 「道場での制服着用は禁止、それから有事でもないのに刀を出さない」 金髪男が言ったのを聞いてナギを見たが、確かにダメダメだな……。 制服はともかく道場内で真剣を振り回すなのは良くない。 「それと、使用の手続きもとっていません」 青髪、オマエは喋るな。と、心の中で呟く。 「いいじゃない別に!」 「つうか、オマエら俺の存在忘れてるだろ? さっきから痛い視線に晒されて、精神的にダメージを受けているんだからな」 「お、喋れたのか」 「当たり前だろ、この金髪ホスト野郎め」 なんだその如何にもキメました的な髪型は。 確かにちょっぴり格好良いがな、朝セットに苦労している所を想像するとダサいんだよ。
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