嫌なヤツ

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「なっ! ホストじゃ――」 「これは、申し遅れましたね」 と、金髪の口に素早くだしたガムテープを貼り付け、青髪が口を開く。 今の素速い動き、タダ者ではない。 「こちらがユウ」 金髪ホスト野郎がユウ……名前までもがホスト臭いな。 「私がキョウ」 ああ……。コイツはとことんまどろっこしい。 「コレがゼツ」 黒髪細目がゼツ……。 「この方がハク」 おう、もう1人いたことを完璧に忘れていた。 この無口で、偉そうに人を見下す目をしているのがハクだな。 正直言うと最初のヤツの名前をもう忘れた。 「で? 用は?」 ナギはどうやらさっき言われたことすら、忘れているらしい。 俺も名前を覚えるだけで精一杯なのだから、笑えないのだが……。 太郎、次郎とか分かり易い名前にすればいいだけなのに。 俺なんかタマだぞ? 一生忘れないな。 「だからっ! 違反だ、違反」 ユウ? だっけか。 が、叫ぶと俺らに向かって罵声が飛んできた。 こりゃ完全にアウェーだ。
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