96人が本棚に入れています
本棚に追加
/126ページ
「なっ! ホストじゃ――」
「これは、申し遅れましたね」
と、金髪の口に素早くだしたガムテープを貼り付け、青髪が口を開く。
今の素速い動き、タダ者ではない。
「こちらがユウ」
金髪ホスト野郎がユウ……名前までもがホスト臭いな。
「私がキョウ」
ああ……。コイツはとことんまどろっこしい。
「コレがゼツ」
黒髪細目がゼツ……。
「この方がハク」
おう、もう1人いたことを完璧に忘れていた。
この無口で、偉そうに人を見下す目をしているのがハクだな。
正直言うと最初のヤツの名前をもう忘れた。
「で? 用は?」
ナギはどうやらさっき言われたことすら、忘れているらしい。
俺も名前を覚えるだけで精一杯なのだから、笑えないのだが……。
太郎、次郎とか分かり易い名前にすればいいだけなのに。
俺なんかタマだぞ? 一生忘れないな。
「だからっ! 違反だ、違反」
ユウ? だっけか。
が、叫ぶと俺らに向かって罵声が飛んできた。
こりゃ完全にアウェーだ。
最初のコメントを投稿しよう!