嫌なヤツ

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「なら、うちの新入部員とそっちの部員が戦えばいいんじゃない?」 オイ、琴音……何を言い出してるんだ。 「それなら構いませんが、勝機があるのですか?」 「さあ?」 絶対コイツ面倒臭いから、早く終わらせようとしているだけだ。 「じゃあ一番経験の浅いユウでいいですよ」 「ちょっと待て。俺の意見とか聞かないのか?」 「勿論じゃない」 「当然です」 ああ! そうかい。 藤が助け舟を出してくれるのを待ってみたが、一向にその気配はない。 ナギなんかは楽しんでいるし、風紀委員のヤツらは着々と準備を進めている。 「ユウはあの中で一番弱いから」 と、藤が耳元で囁く。 「弱いって言ったってな……」 「2ヶ月前に、タマと同じ世界からきたんだよ」 と、ナギが言う。 俺と同じ世界? なんだかそれを聞くと少し自信が湧いてきた。 「まだ武術しか使えないはず。特化は確か空手」 藤がにやけながら囁く。 「特化?」 「んっと、それはまた後で説明する」
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