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「こないの? じゃあ俺から行っちゃうよ?」
言ってること違うじゃないか。俺は考えてからじゃないと行動出来ない、チキンなのだ。
少しくらい待ってくれたっていいだろう?
イヤ、そういえば先手を取ることに意味はあるのか? ターン制のRPGじゃないんだ。
「こいよ、ホスト野郎」
そう言った俺に対し、ユウが不敵な笑みを浮かべる。
「じゃあそうさせて貰う。火の玉火の玉火の玉火の玉火の玉火の玉!」
ボーイソプラノが火の玉と叫ぶと、ユウを囲うように野球ボールサイズの火の玉が現れた。
今時の武術は火の玉も出せるのか? そりゃ科学は日々進歩しているからな――
「そんなわけあるかっ! どうなってるんだよ、藤っ」
独りツッコミは置いといて、本当どうなっているんだ?
「まさかもう副の部活までマスターしてるの?」
そんなコト言われたって俺にわかるハズがない。
言霊ってヤツだよな?
ってコトは文学部か。
でも火の玉をどうっ――
「オイ馬鹿っ、いきなり飛ばしてくるな!」
火の玉が1つ、耳元を掠った。焦げた匂いが鼻につく。
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